今、改めて知っておきたい「インフレ」とは?
2022年頃から、世界的に「インフレ」という言葉を耳にする機会が増えました。
当時の日本では、電気・ガソリン・食料品などの値上げが目立ち始め、「日本でもインフレが起きている」と言われるようになりました。
それから4年。2026年の現在では、値上げは決して珍しいものではなくなっています。
食品や日用品だけでなく、外食、宿泊、各種サービスなどにも値上げが広がり、私たちの生活に「物価が上がる」という感覚が定着してきました。
今回は、確定拠出年金の運用商品を考える前提として、改めて「インフレ」について考えてみましょう。
そもそもインフレとは?
インフレ(Inflation)とは、モノやサービスの価格が継続的に上昇することです。
日本では、物価の動きを見る代表的な指標として「消費者物価指数(CPI)」が使われています。
しかし、資産運用を考えるうえでは、もう一つ重要な見方があります。
それは、「インフレとは、お金の価値が下がること」です。
例えば、100万円を現金で持っていたとします。
物価が毎年2%ずつ上昇すると、100万円という金額自体は変わらなくても、その100万円で買えるモノやサービスは少しずつ減っていきます。
つまり、預金残高が減っていなくても、実質的な資産価値は低下しているのです。
インフレには大きく2つある
インフレが起こる原因は、大きく2つに分けることができます。
一つ目は、「ディマンド・プル・インフレ」です。
景気が良くなり、企業や個人が「もっと商品やサービスを買いたい」と考えることで需要が増え、価格が上昇します。
企業の売上や利益が増え、それが賃金上昇につながり、さらに消費が増える。
このような循環を伴うため、「良いインフレ」と表現されることもあります。
もう一つが、「コスト・プッシュ・インフレ」です。
原油や天然ガス、原材料、人件費など、商品やサービスを作るためのコストが上昇し、その分が販売価格に転嫁されることで物価が上がります。
2023年のコラムでは、ロシアによる天然ガスなどの供給減少を例に、当時の世界的なインフレを「コスト・プッシュ・インフレ」と説明しました。
2026年の日本は少し状況が違う
2026年の日本では、単純に「原材料価格が上がったから物価が上がる」というだけではなくなってきています。
人手不足を背景とした人件費の上昇や賃金上昇、それを販売価格へ反映する企業の動きなど、国内の要因も物価に影響するようになっています。
つまり、日本も長く続いた「物価がほとんど上がらない時代」から、物価上昇を前提に生活や資産形成を考える時代へ変わりつつあるのです。
インフレ時代には「運用しないリスク」も考える
確定拠出年金は、20年、30年という長期間にわたって資産を形成する制度です。
そのため、現在の100万円が20年後にも「100万円の価値」を持っているとは限りません。
これまで日本では、「元本が減らない=安全」と考える方が少なくありませんでした。
しかしインフレが続く環境では、元本が減らなくても、実質的な購買力が低下する可能性があります。
確定拠出年金の商品を選ぶ際には、「値下がりするリスク」だけでなく、「運用しないことによって、お金の実質的な価値が減るリスク」についても考える必要があります。
次回は、「金利上昇に弱い金融商品とは?」をテーマに、定期預金や債券などについて考えてみたいと思います。
















































