DCとDBは何が違うのか?
先日、日経新聞で企業型DCの加入者がDBの加入者数を上回ったという記事が出ました。
企業年金制度には、大きく分けて「DC(確定拠出年金)」と「DB(確定給付企業年金)」があります。
企業型DCの導入を検討している経営者や人事担当者の方から、「DCとDBは何が違うのですか?」という質問をよくいただきます。
どちらも従業員の老後資産形成を支援する制度ですが、実は制度の根本的な考え方が大きく異なります。
これから4回に渡り、その構造的な違いについて解説します。
DBは「将来の給付額」を約束する制度
DBとは、確定給付企業年金(Defined Benefit Plan)の略です。「確定給付」という名前の通り、将来受け取る年金額や退職金額を会社が約束する制度です。
例えば、「勤続30年で2,000万円」というように、将来の給付額が先に決まっています。
従業員にとっては、将来受け取れる金額が分かりやすい、運用の知識が不要、というメリットがあります。
一方で、その給付を実現するために必要な資金を準備する責任は会社が負います。
DCは「掛金」を約束する制度
一方、DCとは確定拠出年金(Defined Contribution Plan)のことです。「確定拠出」とは、毎月の掛金だけを会社が約束する制度です。
例えば、「毎月2万円を拠出する」というところまでは会社が保証します。しかし、その後の運用成果によって将来受け取る金額は変わります。
つまり、運用がうまくいけば資産は増える、運用環境によっては増え方が小さいという特徴があります。
本当の違いは「誰がリスクを負うか」
DCとDBの違いを一言で表すと、「誰が運用リスクを負うのか」ということになります。
DBでは、運用がうまくいかない、想定より長生きする人が増える、金利が低下するといったリスクを会社が負担します。
一方、DCでは、運用成果や市場環境による影響は加入者自身が受けることになります。
つまり、DBでは、運用リスクを会社が負い、DCでは、運用リスクを従業員が負うという構造になっています。
なぜDCが増えているのか?
日本では、かつて退職金制度やDBが主流でした。
しかし、低金利の長期化、平均寿命の伸長、会計基準の厳格化などにより、企業が将来の給付を保証し続けることが難しくなってきました。
その結果、DBからDCへ移行する企業が増えているのです。
特に中小企業では、将来負担を予測しやすい、制度運営が比較的シンプルという理由から、企業型DCの導入が広がっています。
次回は、「企業会計から見たDCとDB」をテーマに、経営者が最も知っておきたい「財務上の違い」について解説します。
















































