6月26日 DeCoPA設立10周年記念パーティー開催
DC

なぜ企業はDBからDCへ移行しているのか?②

企業会計から見たDCとDB
前回は、DC(確定拠出年金)とDB(確定給付年金)の基本的な違いについて解説しました。
簡単に言えば、DBは将来の給付額を約束する制度、DCは掛金を約束する制度でした。
今回は、その違いが企業会計にどのような影響を与えるのかを見ていきます。

DBは「将来の負債」を抱える制度
DBでは、会社が将来の給付額を約束しています。
例えば、「勤続30年で2,000万円の退職金を支給する」という約束をした場合、その支払いは将来であっても、会社にはすでに支払義務が発生しています。
会計上は、この将来支払うべき年金や退職金を「退職給付債務」として認識します。
つまり、将来支払う予定のお金が、会社の負債として存在するということです。

見えない負債が膨らむこともある
DBでは、金利の変動、平均寿命の伸長、運用成績などによって必要資金が変化します。
例えば、年金資産の運用が想定より悪かった場合、会社は不足分を追加で負担しなければなりません。
また、従業員の平均寿命が延びれば、年金の支払期間が長くなり、将来負担も増加します。
つまり、会社が想定していなかったコストが発生する可能性があるということです。

DCは「費用が確定する制度」
一方、DCは考え方がまったく異なります。
会社が約束するのは、「毎月いくら拠出するか」だけです。
例えば、毎月2万円を拠出する制度であれば、会社の負担は毎月2万円で終了します。
将来、その資産が1,000万円になるか2,000万円になるかは、加入者の運用結果によって決まります。
会社には追加負担はありません。

B/Sに乗るDB、P/Lで完結するDC
経営者向けに一言で表現すると、DBは、将来負債を抱える制度であり、DCは、人件費として処理する制度と言えます。
DBは将来の支払義務があるため、貸借対照表(B/S)への影響を考える必要があります。
一方、DCは拠出した時点で費用処理(福利厚生費)されるため、損益計算書(P/L)で完結します。
経営者にとっては、将来コストが見えやすいという点が大きな特徴です。

なぜDCへ移行する企業が増えているのか
近年、多くの企業がDBからDCへ移行しています。その背景には、人口構造の変化、低金利環境、会計基準の厳格化があります。
企業経営において、「将来いくら負担するか分からない制度」よりも、「毎年のコストが明確な制度」の方が管理しやすいためです。
特に中小企業では、財務の安定性という観点からもDCを採用するケースが増えています。

今回は、「DBは将来負債を抱える制度、DCは人件費を管理する制度」という視点で整理しました。
次回は、「従業員から見たDCとDB」をテーマに、「本当に従業員にとって有利なのはどちらなのか?」について考えてみたいと思います。

関連記事

TOP