「記録管理機関」と「資産管理機関」は何をしているのか?
前回は、「運営管理機関」と「代表事業主」の役割について解説しました。今回は、加入者の資産を実際に支えている、「記録管理機関」と「資産管理機関」の役割について整理します。
この二つは、加入者からは見えにくい存在ですが、企業型DCの安全性を支える非常に重要な役割を担っています。
記録管理機関とは?
記録管理機関は、文字通り、加入者ごとの“記録”を管理する機関です。
具体的には、
・掛金がいくら拠出されたか
・どの商品を保有しているか
・残高がいくらあるか
・運用指図の内容
・受取可能年齢
などを管理しています。
加入者がWEBサイトへログインして確認している残高情報などは、記録管理機関が管理しているデータです。代表的な記録管理機関としては、日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社(JIS&T)、日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社、SBIベネフィット・システムズ株式会社などがあります。
記録管理機関は“通帳”のような存在
イメージとしては、記録管理機関 = 「DC専用の通帳」のような役割です。実際に資産そのものを保管しているわけではありませんが、平たく言うと、誰のお金か、いくらあるか、どの商品を持っているかを正確に管理しています。そのため、転職時の移換や受取り時にも、非常に重要な役割を果たしています。
資産管理機関とは?
一方、資産管理機関は、加入者の資産そのものを保管・管理する機関です。一般的には、信託銀行が担当しています。
役割としては、
・掛金の保管
・運用商品の売買資金管理
・加入者資産の分別管理
などがあります。
つまり、「実際のお金を預かっている」のが資産管理機関です。
なぜ分ける必要があるのか?
ここが、企業型DC制度の非常に重要なポイントです。もし、記録、資産保管を一つの機関だけで行っていた場合、不正や管理ミスのリスクが高まります。そこで、記録を管理する記録管理機関とお金を管理する資産管理機関と役割を分離しているのです。これにより、加入者の資産の安全性を高めているということになります。
倒産しても資産が守られる理由
企業型DCでは、加入企業、運営管理機関、代表事業主など関係者が仮に経営破綻したとしても、加入者資産は守られる仕組みになっています。これは、資産管理機関で分別管理されているためです。つまり、企業型DCの資産は、「会社のお金」ではなく、「加入者個人の年金資産」として厳格に管理されているのです。00
企業型DCは、多くの専門機関が役割分担することで、加入者の老後資産を安全に守る仕組みになっています。2027年以降は掛金上限の引き上げなどにより、DCの資産残高はさらに大きくなっていくと考えられます。だからこそ、このような厳格な管理体制が、今後ますます重要になっていくのです。
















































