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企業型DCのパンフレットの解説⑳ 確定拠出年金の受取りその二

パンフレットの解説の二十回目は、「6. 確定拠出年金の運用と給付 ②確定拠出年金の受取り」の続きです。今回は、障害給付金と死亡一時金について解説します。

パンフレットの図をご覧ください。

まず、障害給付金について説明します。
パンフレットでは、以下のように説明しています。
1,どんな時に?――>加入者等が 高度障害になった時
2,どんな方法で?――>年金 and・or 一時金

1,どんな時に?――>加入者が高度障害になった時
厚生労働省のHPには、以下の記載があります。
「75歳に到達する前に傷病によって一定以上の障害状態になった加入者等が、傷病の状態で一定期間(1年6ヶ月)を経過した場合に受給することができる」

主な受給要件は以下の通りです。
• 障害基礎年金の受給者(1級および2級に限る)
• 身体障害者手帳(1級から3級に限る)の交付を受けた者
• 療育手帳(重度の者に限る)の交付を受けた者
• 精神障害者保健福祉手帳(1級および2級に限る)の交付を受けた者

例えば、身体障害者手帳の交付を受けるケースには、以下のような項目があります。
• 視覚障害:視力や視野に障害がある場合。
• 聴覚障害:聴力や平衡機能に障害がある場合。
• 平衡機能障害:平衡感覚をつかさどる器官(内耳など)に障害がある場合。
• 音声・言語・そしゃく機能障害:発声、言語理解、咀嚼(かむ力)に障害がある場合。
• 肢体不自由:上肢・下肢または体幹の運動機能に障害がある場合。
• 心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸の機能障害:内部臓器の機能が低下して日常生活に支障をきたす場合。
• ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害:エイズやHIV感染による免疫機能の低下がある場合。

2,どんな方法で?――>年金 and・or 一時金
障害給付金は、60歳前でも受け取ることが可能で、年金形式、一時金形式、またはその併用で受け取ることができます。この給付金は所得とみなされないため、非課税です。

DC推進協会では、2つのプランを扱っていますが、SBIいろどり年金は、どちらかを選ぶタイプで、あいおいニッセイ同和損保の「forche」は、一部年金・一部一時金を選べるタイプです。

障害給付金は、非課税なので、退職所得控除や公的年金等控除を気にする必要がないという点がポイントです。

次に、死亡一時金について解説します。
パンフレットでは、以下のように説明しています。
1,どんな時に?――>加入者等が死亡した時
2,どんな方法で?――>一時金
3,誰に?――>遺族

死亡一時金の受取りの優先順位は以下の通りです。
①加入者が指定した受取人
加入者が生前に死亡一時金の受取人を指定していた場合、その人が最優先で受け取ります。
②指定がない場合の法定相続人
指定がない場合は、民法に基づく法定相続人が受取人となります。
一般的な順番は以下の通りとなります。
配偶者―>子―>父母―>孫―>祖父母―>兄弟姉妹―>その他の親族

相続の際のメリットは、以下の通りです。
①相続税の非課税枠がある
DCの死亡一時金は「退職手当金等」として扱われ、法定相続人1人につき500万円まで非課税になります。
例:法定相続人が3人なら、1,500万円まで非課税。
この非課税枠は、生命保険の非課税枠とは別枠で適用されるため、併用可能です。
②遺産分割協議の対象外
死亡一時金は「みなし相続財産」として、受取人固有の財産とみなされます。
遺産分割協議の対象にならず、相続放棄しても受け取れるケースがあります。
③生前に受取人を指定できる
加入者が生前に受取人を指定しておけば、スムーズに資産を受け渡せるため、遺族の負担軽減につながります。

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