ここ数年で、私たちは「物価が上がる世界」を現実として体験しました。2022年以降の世界的インフレ、そして2024年以降の金利上昇局面を経て、2026年現在、資産運用の前提条件は明らかに変わっています。
まずは、改めて「良いインフレ」のメカニズムを整理してみましょう。
景気が悪化すると、中央銀行は金利を引き下げ、企業や個人が資金を借りやすい環境を整えます。
1.景気が悪化する
2.中央銀行が金利を引き下げる
3.企業が設備投資や採用を増やす
4.モノやサービスが売れ始める
5.企業業績が改善し、給料やボーナスが増える
6.多少価格が上がっても消費が続く
7.景気が回復する
このように、景気回復とともに物価が緩やかに上昇する状態が「良いインフレ」です。
では、インフレが続くと私たちの生活はどうなるのでしょうか。
例えば、200万円の車が1年で2%上昇すると204万円になります。もし給料が3%上がれば問題ありません。しかし、給料が増えなければ、実質的な購買力は低下します。
2026年の日本では、物価上昇が定着しつつある一方で、賃金の伸びは業種によって差があり、“実質賃金”という言葉が日常的に使われる時代になりました。つまり、インフレの影響を受けない資産を持つことが、より重要になっているのです。
では、インフレに比較的強い金融商品は何でしょうか。
代表的なのは、
・不動産(実物不動産やJ-REITなどの不動産投資信託)
・株式(個別株式や株式型投資信託)
です。
インフレ局面では、企業は商品やサービスの価格を引き上げることができるため、売上や利益が増加しやすくなります。企業業績の改善は株価に反映されるため、株式はインフレに対抗しやすい資産といえます。
実際、この数年間、世界の主要株価指数は大きな変動を経験しながらも、長期的には企業価値の成長を反映して推移してきました。確定拠出年金(DC)においても、株式型インデックスファンドが中核資産として位置づけられている理由はここにあります。
前回お伝えしたように、銀行預金や債券は金利が上昇する局面では価格が下落しやすく、インフレが続く環境では実質的な価値が目減りする可能性があります。
2026年のいま必要なのは、「元本を守る」発想だけではなく、“購買力を守る”発想です。
ご自身の確定拠出年金の運用商品を、ぜひ一度見直してみてください。インフレがある世界では、資産の置き場所が将来を左右します。












































