国際収支が、為替市場の需給にどう影響を与えるかを考えてみましょう。
国際収支とは、日本と海外の間で行われた資金のやり取りを集計したものです。財貨やサービスの輸出をプラス、輸入をマイナスとして計上します。日本からいくらの資金が支出され、いくらが収益となったか。プラスとマイナスを比較することから、国の損益計算書とも呼ばれています。
国際収支が赤字の国は、不足する外貨を調達する需要が強いため、自国の通貨が安くなりやすいと考えられます。自国通貨を売って外貨を獲得する必要がある為です。反対に、国際収支が黒字の国は、すでに外貨を多く保有しているので、外貨を調達する需要が強くないため、自国の通貨が高くなりやすいと考えられます。
国際収支の中で、大きな要素を占めるのが経常収支です。経常収支とは、貿易とサービスの収支に、利子や配当金の収支などを合計したものです。過去において、日本は貿易収支の黒字などを理由に、長年経常収支の大幅な黒字を続けてきました。それが長期的な円高の一つの要因になっていたと考えられています。しかし、2011年3月の東日本大震災以降、日本が原油の輸入を増やしたことから、貿易収支が赤字に転落し、経常収支の黒字も大きく減少しました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻による資源高もここ数年の円安ドル高となった要因のひとつと考えられています。
為替レートの決定要因を説明する概念の一つに購買力平価説というものがあります。
購買力平価説は、端的に言えば、中長期的には「為替レートは2国間の物価水準が等しくなるように決まる」という考え方です。
例えば、アメリカでは1ドルで買えるハンバーガーが日本では100円で買えるとするとき、1ドルと100円では同じものが買える(つまり1ドルと100円の購買力は等しい)ので、為替レートは1ドル=100円が妥当となります。
ただし、そのためには、すべての財やサービスが自由に貿易されなければなりませんから、現実にそぐわない面もありますが、長期的な為替の水準を探る方法のひとつとして考えられています。
購買力平価説に関しては、英国の経済誌「エコノミスト」が発表する、「ビッグマック指数」が有名です。マクドナルドのビッグマックは、全世界、ほぼ同一の品質で販売されています。そこに着目し、ビッグマックの国ごとの価格を比較することにより、各国の通貨の購買力を比較し、為替レートの適正水準を探ろうとするものです。2022年のビッグマック指数をみると、主要国中33位で、日本の円は過小評価されていると言えます。今、海外に行くと日本の倍以上のお金を払わないと食事できませんよね。購買力平価説では、中長期的には円高を示唆することになるようです。















































